仏壇の正しい向きや場所には意味がある?宗派や部屋など解説!

仏壇の正しい向きや場所には意味がある?宗派や部屋など解説!

仏壇を新しく購入した場合、まずどの部屋に置くかも悩みどころですが、向きも迷うところです。できれば、縁起の良いとされる方向に置きたいものです。もし仏壇の向きで迷ったら、なぜそちらの方向が良いとされるのか理由をまず知りましょう。

仏壇の正しい向きはどの方角?

仏壇は毎日手を合わせる人も多いでしょうが、向きを気にする方もまた多いでしょう。風水や宗派を気にする人もいますし、縁起の悪い向きがあるならできれば避けたいもの。仏壇の向きには「こうでなくてはいけない」という決まりはありません。ただ、気にする方もいますので、波風を立てないためにも、正しい向きを知っておくのがおすすめです。

説①本山中心説の向き

本山中心説(ほんざんちゅうしんせつ)とは、仏壇の前に座り合掌してお参りをする時、お参りする方向の延長線上に宗派の本山が見える位置にお参りするとの説です。住んでいる地域によって東に向けるか西に向けるかが変わってくるので、同じ宗派でも向きが違ってきます。

説②春夏秋冬説の向き

春夏秋冬説(しゅんかしゅうとうせつ)とは、ご先祖様があの世で安らかに暮らせるなら、どこの方向に面しても問題ないという考え方です。東西南北には日が沈む方向であったり、日が昇る方向であったりなどしますが、どの向きも大事なので方角による格差はないとの考えで、向きは自由です。

説③南面北座説の向き

南面北座説(なんめんほくざせつ)とは、名前からも想像がつきますが、まず仏壇の正面は南に向けて配置するので、後ろ側は北を向きます。この説が生まれた背景には、中国の「位の高い人は南に、位の低い人は北に座る」との故事からきています。またお釈迦様が説法をする時に向いていた方向が南だったため、南は縁起が良いとする考え方です。

説④西方浄土説の向き

西方浄土説(さいほうじょうどせつ)では、仏壇を東に向けます。理由は、極楽浄土は西方にあると言われているので、お参りするのが簡単だからです。また、東は太陽が昇る方向なので、立身出世のシンボルでもあることから、縁起が良いとされます。インドの慣習が起源とされており、東向きの考え方が生まれました。

お参りできることが大切

仏壇の向きや方角は、上記でご紹介したように種類があり、どれが決まりということはありません。ただ、仏壇は先祖供養のために置かれるので、毎日お参りできるようにする必要があります。そのため、お参りさえできれば、ダメという決まりごとはありません。

仏壇が長持ちする場所にする

仏壇は向きよりも、設置場所の方が問題です。なぜなら、仏壇は高級な家具の一種で、湿気や日光に弱いからです。日当たりの良い場所は一見良さそうに見えますが、良すぎると仏壇を弱らせてしまいます。また、湿気によってカビが生える可能性もありますので、できれば風通しの良い場所に設置しましょう。

宗派による仏壇の向きの違い

仏壇は仏教によるものですから、宗派による違いがあります。ただ、宗派によって基準はまちまちなため、ケースバイケースです。ただ、以下の宗派では、良いとされる向きがありますので、仏壇の向きや置き場所の違いを知っておきましょう。

日蓮宗の場合

日蓮宗の場合は、春夏秋冬説が近く、仏壇の向きについての決まりごとはありません。ただ、そうなるとどの向きに置くかで逆に迷うこともあるかもしれませんので、その場合は祈祷などで縁起の良い向きを占ってもらうと良いでしょう。

天台宗・浄土真宗・浄土宗の場合

天台宗や浄土真宗、浄土宗では、上記でご紹介した西方浄土説の考えが使われていますので、仏壇は東に向けます。三つの宗派に共通する阿弥陀如来が西方に存在するとの考え方から、お参りする方向は東に向けると決められています。

真言宗の場合

真言宗の場合は、本山のある場所で向きが変わることから、説としては「本山中心説」を受け継いでいます。そのため、同じ宗派であっても、本山の位置が家からどの向きにあるかで仏壇の置き場所が変わります。

臨済宗・曹洞宗の場合

臨済宗と曹洞宗の場合は、これという決まりはありませんが、南の方向に仏壇を置くことが多く「南面北座説」が当てはまります。もちろん、部屋の状態によっては南向きに置くのが難しいこともありますが、できれば南向きにしましょうというスタンスです。

仏壇で絶対NGの2つのこと

仏壇の向きは、宗派によっても違うと書きましたが、厳格な決まりはなく、ケースバイケースです。ただ、これは絶対にNGという決まりごとがありますのでご紹介します。

床の間がある場合は注意!

床の間は、最近では洋式建築が増えて床の間自体がないこともありますが、元々家の部屋の中でも一番位が高い上座に位置します。もし床の間と仏壇を向かい合わせにすると、床の間の位が下がってしまいよくありません。ただ、床の間に仏壇を置くこと自体は位を高めてくれるため、向きさえ間違わなければ問題ありません。

神棚との向きで注意したいこと

神棚と仏壇は違う宗教によるものですが、昔日本で神仏習合が行われたことで、同じ部屋に仏壇と神棚がある家も多いでしょう。ただ、向かい合わせにすると、神棚にお参りする時に仏壇にお尻を向けてしまうこともありえますし、逆の場合として神棚にお尻を向けることもありえます。神様にもお釈迦様にも失礼に当たるため、決して向かい合わせにはしないようにしましょう。

まとめ

仏壇の向きについて、不安な面が解消されたでしょうか。仏壇はお参りすることで心に安らぎを与えてくれる家具でもあります。お参りすること自体が大切で、向きはサブの要素でもあり、それぞれにはっきりした決まりごとはありません。

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