仏壇に掛け軸が必要？家族で話し合って決めた方が良い！

仏壇の御本尊に仏像と掛け軸、どちらが良いのか分からない人がいるかもしれません。時代の変化とともに宗教観などが変化してきていますので、仏壇や御本尊の向き合い方も変化してきています。

ここではまず仏壇に掛け軸が必要なのかを説明し、それから掛け軸を購入する時のポイントについてもあわせて解説しています。

仏壇に掛け軸が必要なのか？

仏壇に安置する御本尊に関しては、仏像もしくは掛け軸を置くかの2択になります。原則として前者を選ぶのは古くからある浄土宗・天台宗・真言宗で、後者を選ぶのは浄土真宗・日蓮宗・創価学会です。

ただ現代になってきて仏壇や御本尊の扱いに変化が出てきて、それに伴って多くの宗派で仏像もしくは掛け軸のどちらでも良いという理解が一般的です。だから仏壇に掛け軸が必要なのかというと、必ずしも必要が無いことになります。

死者を悼む方法が多様化していることもあり、仏壇に求めるものが多様化しているということです。とくに仏壇が多様化しているので、そこで飾られるものがスペースの関係できちんと置けないことが考えられます。仏壇のスペースなどにより、御本尊に掛け軸を選ぶということも考えられます。

掛け軸は仏像と同じ役割である

掛け軸にしても仏像にしても、同じ役割であることには変わりません。御本尊に飾る如来を彫刻にしたのが仏像で、それを絵にしたのが掛け軸に過ぎません。仏像の方が立派であったり、掛け軸のほうが劣っていたりということは一切ありませんので、しっかりと親戚や檀家などと話し合って、どちらにするのか決めたほうが後悔しないでしょう。

一般的には御本尊の両脇に、宗派によって決められた祖師像を置くことになります。祖師像は中心に置かれる御本尊の両サイドに置かれます。掛け軸を購入する時には、御本尊と祖師像に当たる脇掛をセットにすることが多いでしょう。掛け軸にするのであれば、3つとも掛け軸にした方が見栄えが良くなることもあります。

掛け軸には宗派ごとに決まりがある

掛け軸を購入するのであれば、自分の好きな絵柄を購入するのではなく、以下のように宗派に合ったものを選ばなければいけません。宗派に合わない掛け軸が飾っているのであれば、親戚一同からクレームが出る可能性がありますし、恥をかくことになるでしょう。まずは家族が信仰している宗派をしっかりと確認することです。

浄土真宗本願寺派

本尊：阿弥陀如来
左脇掛：蓮如上人
右脇掛：親鸞聖人

真宗大谷派

本尊：阿弥陀如来
左脇掛：九字名号
右脇掛：十字名号

日蓮宗

本尊：曼荼羅
左脇掛：大黒天
右脇掛：鬼子母神

浄土宗

本尊：阿弥陀如来
左脇掛：法然上人
右脇掛：善導大師

真言宗

本尊：大日如来
左脇掛：不動明王
右脇掛：弘法大師

天台宗

本尊：特定の本尊を設けず(阿弥陀如来が多い)
左脇掛：伝教大師
右脇掛：天台大師

仏壇のサイズに合わせて掛け軸の大きさを決めるべき

せっかく掛け軸を購入するのであれば、仏壇のサイズと合っていなければ意味がありません。掛け軸の長さと仏壇のサイズが合っていなければ、違和感があるのではないでしょうか。

掛け軸の大きさは代という単位で表現されています。小さいものであれば二十代からあり、一番大きなものであれば三百代まであります。仏壇を購入するタイミングで掛け軸を購入した方が、サイズがミスマッチになることはありません。

一般的な家庭用の仏壇であれば二十代から五十代までの掛け軸、大きめの仏壇であれば六十代から三百代までの掛け軸を選ぶことが多いでしょう。掛け軸のみを購入するならば、仏壇の縦と横のサイズを測ってから購入するべきです。

掛け軸は長く使うものなので大切に扱う

仏壇に飾るために掛け軸を購入したのであれば、基本的に取り換えることが無いと言ってもいいでしょう。仏壇同様に長く使うものになりますから、掛け軸を大切に扱うことが欠かせません。

掛け軸は湿気や直射日光にとても弱いので、そういった箇所に該当しない場所で保管してください。仏壇を置く場所がそういう箇所に該当しないかどうかをチェックします。

掛け軸のほこりが気になるならば、柔らかい布などで優しく払います。その時に濡れた布を使ってしまうと、濡れた箇所が変色する恐れがありますので、水は使わずに乾拭きにしてください。

掛け軸を購入するなら仏壇店で購入した方が良い

掛け軸を購入するのであれば、仏壇店のほうが良いでしょう。仏壇を購入するタイミングで掛け軸を購入するようにすれば、すべてが揃った状態で先祖を祀ることが可能です。

インターネット通販でも掛け軸ぐらいであれば購入できますが、細かな注意点がありますので、専門の知識があるスタッフがいる仏壇店に出向いて購入することをおすすめします。宗派さえ教えてもらえれば適切な掛け軸を提案ができますので、いろいろと相談しながらお買い求めるといいでしょう。

まとめ