仏壇に花をお供えする時に押さえておきたいマナーや決まりとは?

仏壇に花をお供えする時には、花の色や種類、本数に気を付ける必要があります。白い花を基調として3色または5色におさめ、長持ちする花を奇数本で束ね、左右に生けるために2束用意しましょう。

仏壇に花をお供えする時には、花の色や種類、本数に気を付ける必要があります。白い花を基調として3色または5色におさめ、長持ちする花を奇数本で束ね、左右に生けるために2束用意しましょう。

また、法事やお盆・お正月は特別な仏花を用意します。法事は花の種類や本数を変えて華やかに、お盆にはほおずきを、お正月には松や南天を加えて、故人をしのびましょう。

仏壇にお供えする花の選び方とは?

仏壇には花をお供えしますが、どんな花を選べば良いのでしょうか。

まず、第一に「生花」が望ましいといわれています。ドライフラワーは、「死」をイメージさせるため避けましょう。生花であっても、枯れたままお供えし続けていると死をイメージさせてしまうので花のお世話は欠かさずに行いましょう。

しかし、生花を供えていると、毎日水替えをする手間や定期的にかかる花代が必要です。そのため、法事の時だけ生花を飾り、ふだんはいつでもきれいな造花にしているという方もいます。

仏壇に花を供える時は仏様に見えるように飾るのではなく、花の正面が自分に向くようにして飾ります。なぜなら、供養する人がお花を見ることによって、心を清めることができるからです。

供養する人の心を清める花の役割を考えると、生花がもつ瑞々しさやたくましさこそ仏壇にふさわしいように思えます。仏壇に花を供える時に気を付けたいことは、「花の色」、「花の種類」、「花の本数」の3点です。

花の色

お祝いやイベントの際に用意する花は、色とりどりの華やかなものが素敵です。しかし、仏壇にお供えする花の場合は、色は3色あるいは5色にするのが一般的です。3色の時は白、黄、紫を、5色の時は白、黄、紫に、ピンクと赤を加えます。

ただし、四十九日を迎えるまでは白を基調としながら、アクセントとして色のある花を少しだけ加える程度が望ましいとされています。

四十九日を過ぎたら、故人が好きだった色を取り入れ、故人のイメージに合わせた花を選ぶと良いでしょう。どんな花を選べば良いかわからない方は、「仏花」コーナーのものを購入すればまちがいありません。

同じようなラインナップの花が並んでいて代わり映えしないとお考えなら、花屋さんに相談しながら花を購入するのもおすすめです。

花の種類

花の種類に、「お供えしなければいけない」ものはありません。

しかし、仏壇にはよく「菊」がお供えされています。それは、とても長持ちするからです。仏花にかかわらず、長持ちする花は長期間私たちの目を楽しませてくれます。

長持ちする花の代表として、真っ先に挙げられるのは菊です。とくに「ピンポン菊」というピンポン玉のように真ん丸なフォルムが特徴的な菊は、時間が経過しても花びらの色が変わりにくく、花びらがバラバラと落ちてこないので、仏花として重宝されています。長持ちして見た目が可愛いだけでなく、白や黄、ピンク、赤など色のバリエーションが豊富なのも人気の理由のひとつとなっています。

ほかにも、カーネーションやスターチス、トルコキキョウも長持ちする花として有名です。母の日のイメージが強いカーネーションは、女性の故人をしのぶのにぴったりです。男性の故人をしのぶ時には、凛としたたたずまいが美しい紫のトルコキキョウが人気となっています。

このように仏壇に「お供えしなければいけない」花の種類はとくに決められていません。しかし、「お供えしてはいけない」といわれている花の種類はあり、次の4つとなります。

  • トゲのある花
  • 毒のある花
  • 人間が食べるものの花
  • 香りが強い花

トゲのある花はトゲが殺生をイメージさせるので、お供えしてはいけません。トゲのあるバラやアザミは、控えるようにしましょう。バラは、香りが強い花でもあります。故人が生前にこよなく愛していた花であればお供えしてもいいですが、基本的には避けた方が無難です。

毒のある花をお供えすると仏様に毒を盛ることになるので、仏花にはふさわしくありません。スイセンや彼岸花の花はとてもきれいですが、球根や根の部分だけでなく花や茎、葉の部分にも毒が含まれています。また、彼岸花はお墓に植えられていることが多い花なので、「死」をイメージさせます。縁起が良くない花なので、避けた方がいいでしょう。

人間が食べる穀物や野菜は、意外なほど可憐な花を咲かせるものがあります。蕎麦の花やオクラの花など、お仏壇に飾りたくなる気持ちはよくわかります。しかし、人間が食べるものの花を仏壇にお供えするのはおすすめできません。

香水が万人受けしないのと同じように、強い花の香りをかいで気分が悪くなってしまう方もいます。法事などたくさんの人数が揃う時には、香りが強いカサブランカやオミナエシは控えた方が良いでしょう。しかし、最近ではマナーや決まりが変わりつつあり、大ぶりで華やかなカサブランカをあえて仏壇にお供えする方も増えています。

花の本数

花の本数は、奇数にするのが望ましいとされています。ただし、1本だけお供えするのは少し寂しい雰囲気が漂うので、3・5・7本の花をお供えする方が多いです。また、仏壇の左右にお花をお供えできるように2束用意する必要があります。

特別な日の仏花の選び方とは?

故人をしのぶ特別な日には、節目としてお仏壇に供える花もいつもより特別にしたいものです。お仏壇に関係がある特別な日には、代表的なものに「法事」、「お盆」、「お正月」の3つがあります。

法事

法事の日は、家族だけでなく親戚も集まります。四十九日までは白を基調とした控えめな仏花が望ましいですが、四十九日を過ぎたらそれまでよりも少し華やかな仏花をお供えして、みんなで故人をしのぶ時間として過ごしたいものです。法事では花びんをいつもより大きめのものに変えて、花の本数を増やすのがおすすめです。花の個数や空間の密度が高まり、華やかになります。

いつもの花びんを使いたい場合は、本数を変えなくても大ぶりな花や季節の花を取り入れるのも良いでしょう。本数が同じでも、仏花の存在感をぐっと増すことができます。反対に、カスミソウやスターチスといった小ぶりな花を取り入れると、優しい雰囲気ながらも華やいだ空間を演出できます。

お盆

ご先祖様が帰ってくるといわれているお盆には、仏壇の前にキュウリやナスで作った精霊馬を用意するご家庭もあると思います。お盆の時にお供えする花はいつもと同じものでかまいませんが、「ほおずき」を入れると一気にお盆らしくなります。

ほおずきとは、まるで提灯のように中が空洞になっているオレンジ色の実を付ける植物です。その見た目の通り、盆提灯の役割として他のお花と一緒にお供えします。ご先祖様はあの世から帰ってくる時に迎え火やほおずきの灯りを目指していらっしゃいます。お迎えの気持ちを込めて飾りましょう。

お正月

お正月には、松や南天の赤い実が付いた枝を加えた仏花をお供えします。松や南天はお正月飾りに使われるように、お正月を象徴するものです。しかも、厄除けの役割もあります。

お正月も親族が集まる機会のひとつです。仏壇に向かって昨年の出来事を報告し、無事に新しい年を迎えることができた感謝の気持ちを心の中で伝えましょう。

まとめ

仏壇に供える花は、白を基調に3色または5色の生花を用意します。長持ちする花が良いとされていて、高い人気があるのは菊やカーネーション、トルコキキョウです。花の本数は奇数にして、左右に生けられるように2束用意します。

法事の時は華やかな雰囲気に、お盆にはほおずきを加え、お正月には松や南天を加えましょう。基本的な仏花の選び方を知っていれば、あまり困らずに済みます。しかし、何よりも大切なのは形式ではなく、故人をしのび感謝の気持ちを伝えることではないでしょうか。

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